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第2章 case1 【貴方ハ誰?】

唯一動く目で女生徒から目を外すと、いつの間にか教卓の上に座る人がいることに気付いた。

一瞬、誰?と思うけど、即座にあっ・・・と気付く。

暗い中で薄く光る銀の髪の・・・上級生らしき人に良く似ている。

彼は自分の唇に右人差し指を当て『静かに』という合図を明らかに私に送った後、唇から指を離し、今度は右手で『おいで』と言わんばかりに手招きする。

い、行きたくない。というか・・・そもそも呼ばれたって金縛りで動かないから行けないし。

と思ってるそばから、足が勝手に前に歩き出した!!

目の前にあるドアを、気が付けばすり抜けて。

・・・なになになになになにっ?

パニックになってるのに、声も出ない、足は勝手に動く。意識と身体を切り離され・・・て。

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