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第6章 case3 【貴方ニ効果的ナ"復シュウ"ヲ】 2

戻ったのは、屋敷内の私の部屋。そこから通じている、寮の部屋のドアを開けようとして・・・引く。

「あ、開かないッ」

引く、引く、何度も引くけど、鍵穴のないドアがピクリとも、動かない。

間違えた!!と思って、今度は何度も押してみる。同じく、ピクリとも動かない。まるでドアの絵が描かれている壁のよう。

「何でッ」

開かない以上、考えてる暇はない。振り返って今度は屋敷の外に玄関か・・・ら・・・。

「逃げられると、思ってんの?」

振り返って、気付く。斎は屋敷に通じるドアの前に立ち、腕を組んで不敵に笑っている。

「俺の実態や、的場の契約内容や復讐劇とか見せた後に、何も知らなかった頃に戻れると思ってんの?」

「戻れ・・・」
「一蓮托生、意味解る?」

ワカリタクナイ。

「ま、解らなくても、イイケド?逃がさない事には変わりないし?」

怒っている雰囲気はない。でも、どこか怖い。怖い、のだ。

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