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第8章 case4 【私ガ一番デアリタイ】 1

「無理」

「何で」

「絢乃の彼氏として、周りに見せつける必要がある。余計な羽虫が寄ってこない様に」

そもそも、そのカレカノの設定に何の意味が・・・。

「逆に羽虫が寄ってきてるともいえるけどなぁ・・・」

斎を狙っていて、私を敵視する羽虫が・・・例えが悪すぎるけど。

「男に言い寄られてはいないだろう?」

「言い寄られていないけど、同性には睨まれてるっ!」

斎がモテるという事実を見せつけられるようで、その上理不尽な視線の多さに、何となく腹が立って、声が大きくなる。

「その辺は、対処しよう」

「どうやって?」

肝心な問いには、答える事無く、斎は私の手を握り直すと、握っている私の手の甲を、自らの唇に押し当てる。

私の方にじっと視線を寄越したままだったから、何となく顔が、赤らむ・・・。

唇を離すと、満足そうな笑みを浮かべながら、いつも通り屋敷に帰るために、斎は手を引いた。

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