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第8章 case4 【私ガ一番デアリタイ】 1

コンシーラーでキスマークを隠すのは諦めたものの、髪を下ろしてなんとか体裁を繕う。

・・・というのも、コンシーラー使ったぐらいじゃ消えないものをつけられちゃってるから。

薄くするのが精々・・・で。

まだ暑い日もあるから、結んでおきたい日や授業もあるっていうのに・・・。

消えないキスマーク、そして裸を見られたショックで、頻繁に口から出る溜息。

よくよく考えればそれ以上の事も、経験済みではあるけど・・・も、今回に関しては、明るいところで見られたってのが・・・。

「何だかなあ」

「彼氏なんだから、それくらい、ね?」

溜息の多さに、裸を見られた話を悠里ちゃんに・・・詰め寄られて思わず白状してしまい、今に至る訳だけど。

・・・それくらい、っていう悠里ちゃんは一体、どんな体験を?そもそも彼氏がいるのかいないのかすら知らないけど。秘密主義なのか。

「先輩って独占欲、強いんだね」

「支配欲、といった方がしっくりくるけど」

独占欲も支配欲も、どっちもどっちかも知れない。斎にとっては。

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