テキストサイズ

contract

第9章 case4 【私ガ一番デアリタイ】 2

斎が開かずの扉から出てきたにも関わらず、顔色一つ変える事無く、斎の方を見ている。

「お久しぶり、と言った方が良いでしょうか?」

斎の方も、何時も通りの表情のまま、先に声をかけた。その態度、声は、慇懃無礼。

「オレとお前は初対面だ。それにしても、報告では『死んだ』と聞かされてたけどな」

構える先輩。懐から取り出したのは・・・サバイバルナイフ。

ところで・・・死んだとはどういうことなんだろう?

「ま、死んだとは言えば、一度死んだかも知れませんね」

「ふん、化け物はしぶとい」

「そっくりそのまま、お返ししますよ。全くしぶとい。貴方の一族は」

広野先輩は・・・斎が人外の生物という事を認識しつつ、話を進めている?何故?

「そろそろ諦めた方が身の為では?」

開かずの扉を背に、一歩進める斎。先輩は黙ったまま。

「お互いが何者か、を知っての話なら、この類の会話は無駄、と言ったところでしょう?ですから」

と言い終えると同時に、一気に距離を詰め、先輩を蹴り飛ばした!!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ