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第9章 case4 【私ガ一番デアリタイ】 2

距離を取ろうとするのに、斎の身体は動かない。

「何がズルイって?」

それどころか、腕の力が少しずつ強くなっていく。

「結局、斎の思い通りになりそうなのがズルイのよッ!!」

声が大きくなると同時に、意識せず叫びながら立ち上がる。斎は器用に同じタイミングで立つ羽目になり、

「思い通りって?」

今は、立って抱きしめられてる状況。

「・・・それ以上、言いたくない」

「絢乃、気付いてる?」

「何を」

「手足」

・・・・・・。

言われて今頃気付く。普通に立ってる事に。

「・・・・・・斎のバカ」

何か言いたくなって、口から出た言葉は、ソレ、だけど、

恐る恐る腕を斎に、回した。

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