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第9章 case4 【私ガ一番デアリタイ】 2

広野先輩は、無事だったの・・・だろうか。

「それよりも貴女、元カノなんだから、何か解らない?」

「元カノ?」

別れた・・・事になってる?

「別れてない、ですけど」

「え?だって貴女、最近咲楽君の近くにいなかったじゃない。ずっと近くにいたのは私だし。

てっきり・・・別れたと思って・・・というか、貴女は解れてないと思い込んでるだけじゃない?」

・・・案外図々しい先輩。とはいえ、恋する乙女は思い込むとこうなるのかな?

人を好きになっても、そこまでのめり込んだ事のない私からすれば、ちょっと新鮮・・・。

と考えられるのは、やはり昨日の出来事があるからこそ、で、

昨日の事が無かったら、多分同じ言葉を聞いても、精神的にズタズタになっていただけ、かも知れない。

「先輩が勝手に解れたと思ってるだけです。私は斎と別れてません」

斎が私を手放さない以上、私は未だ彼の隣にいられる、ということ。

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