テキストサイズ

contract

第9章 case4 【私ガ一番デアリタイ】 2

いつまでいられるか、は解らないけど。

「まあいいわ。どちらにしろ、別れてもらうから」

普通の人ならそれが通じる、かも知れないけど、斎にはそれは通用しない、と思う。

「先輩は、斎の事、好きなんですか?」

「貴女に関係ないでしょう?」

「私は・・・好きですよ。斎の事」

嫌いではない、では、多分済まない程度には・・・好意はある。先輩に取られる、という可能性を考えると、イヤだという感情が付きまとう。

だから、好きか嫌いかの、二者択一なら、好き。勿論、厄介な相手、という自覚も、ある。

だって、人じゃないらしいから。

「何故それを、俺の前で言わない?」

背中から近づく、声。

「盗み聞きは、卑怯よ」

斎、いないと思ってたのに。

「という訳で、先輩は邪魔です。恋人同士の仲睦まじいところ、見たいなら別ですけど?」

・・・そして結構、斎はヒドイ、とは思う。先輩にとってはきつい一言。

そして、後ろから回る両腕。すっぽりと抱き締められる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ