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第10章 case5 【私ヲ見テ】 1
教室に戻ると、悠里ちゃんの鞄はまだ机に残されていたけど、悠里ちゃん自体がいない。
いつの間にか、簡単なホームルームは文字通り、簡単に済まされてしまっていたらしく、黒板に先生の文字が残されている。
ちらりと廊下に目をやれば、皆が下校していく姿を捉えるけど、やはり悠里ちゃんはいない。
「あれ?悠里ちゃん知らない?」
近くのクラスメイトに声をかけてみる。
「さっきまでいたよ?」
「どこいったかな?」
「そういえば、誰か悠里ちゃん、呼び出してなかった?」
「そうそう、誰かに呼び出されてたよね?」
「さっきの人?知ってる?斎藤」
「アイツ、隣のクラスの岩倉だろ?」
「・・・呼び出された?」
「そう。岩倉にな。話があるって。というか、あいつそんなタイプに見えないのに結構、大胆なんだなー」
クラスメイトの斎藤君が、とある名前を口にする。とともにいやーな予感が。
だって、脳裏にちらつく・・・白い封筒。
「岩倉君と、どこに行ったか知ってる?」
「さぁ?でも呼び出すなら大概人気のないところだろ。立ち入り禁止の屋上とかじゃね?」
人気のない所・・・また第2図書室!?でもありうるかも・・・。
いつの間にか、簡単なホームルームは文字通り、簡単に済まされてしまっていたらしく、黒板に先生の文字が残されている。
ちらりと廊下に目をやれば、皆が下校していく姿を捉えるけど、やはり悠里ちゃんはいない。
「あれ?悠里ちゃん知らない?」
近くのクラスメイトに声をかけてみる。
「さっきまでいたよ?」
「どこいったかな?」
「そういえば、誰か悠里ちゃん、呼び出してなかった?」
「そうそう、誰かに呼び出されてたよね?」
「さっきの人?知ってる?斎藤」
「アイツ、隣のクラスの岩倉だろ?」
「・・・呼び出された?」
「そう。岩倉にな。話があるって。というか、あいつそんなタイプに見えないのに結構、大胆なんだなー」
クラスメイトの斎藤君が、とある名前を口にする。とともにいやーな予感が。
だって、脳裏にちらつく・・・白い封筒。
「岩倉君と、どこに行ったか知ってる?」
「さぁ?でも呼び出すなら大概人気のないところだろ。立ち入り禁止の屋上とかじゃね?」
人気のない所・・・また第2図書室!?でもありうるかも・・・。