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第10章 case5 【私ヲ見テ】 1

急いで第2図書室へ向かう廊下の手前で・・・。

「何のために呼び出したの?」という悠里ちゃんの声が聞こえて、慌てて死角に隠れる。

最近いつも何かあるなら、ここだから・・・と思って来てみたのはやっぱり正解だった。

そのまま悠里ちゃんに声をかけてもいい気がしたけど、何となく様子見。

だって、手紙の件であれこれ警戒はしているけど、彼が悠里ちゃんに純粋な告白をするのなら、第3者の私は、邪魔なだけだから。

「手紙の件で知ってる事があるからって言うから、わざわざ来たのに」

・・・ん?手紙の、件?

「そう、手紙の件。まずは図書室の中に入って話しようよ。ここだと聞かれたらまずいから」

「いい。ここで、話をして」

「金本さん、これは人に聞かれるとまずいし、怪しまれるから」

・・・っていうか、岩倉君自体が怪しくない?それとも私の思い込み?

ガタンっと音。そーっと覗くと・・・悠里ちゃんの背中が窓に当たっている。

少しずつ近づく岩倉君。

「わ、私もう帰る!!」

「待ってっ」

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