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第11章 case5 【私ヲ見テ】 2

「・・・斎様」

「ふん、お前だって永依に同じことしてるだろうに」

咎めた心算は、ない。けど、何故か拗ね気味の口調に、口元に笑みが浮かぶ。

寧ろ逆で、斎様の心情が解るだけに、苦笑いするしかない。

貪っても貪っても・・・彼女に対する欲望は尽きる事がない。優しくしたい・・・という気持ちが無いわけではないのだが。

・・・人間と同じ性欲という欲望を持つ、主人。彼の正体が気にならないといえば、嘘になるけど、

永依を手に入れられた、という事実は大きいから、些細なことは気にしないのが一番。

さて、拗ね気味の主人の姫は、ベッドの中で昏倒しているかのように、眠っている。

学校で文字通り抱き潰した後、ふらふらの彼女は、身体を清めるのが精一杯で、

夕食を口にすることなく、そのまま眠りについている。まさしく眠り姫。

鬼畜な王子・・・というより王である彼は、姫とは対照的に元気。ソファに座り、眺めているのは、姫様が生徒会長から渡された、茶封筒の中身。

その用紙にどんな情報が?とは思うものの、そこはしれっとスルーするのが、召使として正しい選択かな、と思ってそれ以上は聞かなかった。

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