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第11章 case5 【私ヲ見テ】 2

事の顛末は・・・先ほど聞いたばかり。隣のクラスの岩倉が実行犯だったらしいが、面識が一切ない相手だったので、聞いてもピンとは来ない。

というか、きちんと釘を刺したらしいから、たぶん大丈夫じゃないかと思う。

・・・後は、そう・・・黒幕。

斎様はもう算段をつけているのかも知れないが、オレには何も明かされていない。

姫様への危険が完全には無くなっていない以上、気になる。勿論、純粋に興味としても・・・気になる。

「見るか?」

「・・・え?」

まさか、用紙を見せてもらえるとは思わず、ビックリしてしまう。

「あの・・・それは秘密では?」

「秘密だが、お前は知っていても構わない。むしろ俺の汚い部分まで知っておけ。一蓮托生だ」

紙から目を離し、ニヤリと人の悪い笑みを浮かべている。悪巧みする彼は心底楽しそうだ。

まるで純粋にこの状況を楽しんでいるかのように、見える。

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