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第12章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 1
---黒田生徒会長side---
部屋から出ると、部屋の前で、落ち着きなく、下に視線を落とし続け佇む・・・彼女。
その様相はさっきの勇ましい彼女とは違い、何とも頼りなさげな・・・美少女。
斎って、見る目ないよな、と思う。それとも、ずっと一緒に住んでるから、彼女の良さが身近過ぎて解らない、のだろうな。
その上、絢乃ちゃん、という存在が出来れば猶更。
「お嬢さ」
「・・・何よ」
声に力が無い。斎に色々言われたのかも知れないし、さっきまで生徒会室で聞こえていた筈の会話のせいかも知れない。
どちらにしろ、推測するしかないけど。
視線すら合わず、下向きの珍しい彼女に、思わず口にする真実。
「俺は本当に貴方が好きですよ?」
勿論、さっき部屋の中で話をしたから、多分聞かれていただろういう推測の元、今更隠しても仕方ない、と開き直って。
「・・・知らないわよ。帰る」
「待って」
踵を返しそうになるお嬢様を、とっさに引き留めたくなって、思わず手を伸ばす。
部屋から出ると、部屋の前で、落ち着きなく、下に視線を落とし続け佇む・・・彼女。
その様相はさっきの勇ましい彼女とは違い、何とも頼りなさげな・・・美少女。
斎って、見る目ないよな、と思う。それとも、ずっと一緒に住んでるから、彼女の良さが身近過ぎて解らない、のだろうな。
その上、絢乃ちゃん、という存在が出来れば猶更。
「お嬢さ」
「・・・何よ」
声に力が無い。斎に色々言われたのかも知れないし、さっきまで生徒会室で聞こえていた筈の会話のせいかも知れない。
どちらにしろ、推測するしかないけど。
視線すら合わず、下向きの珍しい彼女に、思わず口にする真実。
「俺は本当に貴方が好きですよ?」
勿論、さっき部屋の中で話をしたから、多分聞かれていただろういう推測の元、今更隠しても仕方ない、と開き直って。
「・・・知らないわよ。帰る」
「待って」
踵を返しそうになるお嬢様を、とっさに引き留めたくなって、思わず手を伸ばす。