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第13章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 2

暫くキスを繰り返す。顔を左右に倒して、暫く2人の世界を堪能する。

やっぱり・・・違うよね。

斎の感触に酔いながら、改めて思う。他の存在じゃダメなんだって。斎がヒトなのかヒトじゃないのかは関係ないくらい、目の前の存在は、大きい。

「ンッ・・・ぁ、そこダメだってぇ・・・」

感情の再確認の間に、斎は唇を項に落としている。

「全く・・・油断も隙も無い」

そう呟いて。

「ぃたッ」

多分、生徒会長にされたキスマーク辺りに、キスマークが付けられる。

「つけ直し」

生徒会長のキスマークは未だ少し腹立たしいけど、ちゃんと記憶の上書きが出来たから、それでいいと思い直す。

「今日、ここであったことは忘れていい」

「・・・声を教えてくれるんじゃ?」

ころころ変わる斎の言葉に、反論して言ってみれば、それに対する返事は、問答無用の実力行使。

塞がれた唇と、容赦なく侵入する舌に、声の事は些細なことに思えて来て、それ以上の追及はしなかった。

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