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第13章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 2

口調が少しずつ、はっきりしてくる。表情が悪戯っ子の様な顔になる。・・・少しずつ見慣れた、自信満々に見える斎になっていく。

様相が違う斎の時間は短かったなあ・・・なんてぼんやり思いながら、斎の顔を捉える。

なので、それ以上「気になる」とは返さない事にした。斎は何か思いついたらしいから。

ただ、その思い付きから、逃げられた試しは・・・実はないのだけど。

「そうだね、そこまで知りたいなら教えてあげないと」

「いや、もういいから」

完全に、何か企んでる、企んでるよ・・・。ニヤニヤ笑う顔が、怪し過ぎる。

「遠慮しなくていいから」

「いい。遠慮じゃないから」

「そう言わずに、さ」

「だから、遠慮なんてしてないからって何やッ・・・ンッンンッ」

堂々巡りの会話の間に、私の身体に再度腕をを絡め直して、強引にキス。

・・・イヤじゃないから、逃げはしないけど、このキスの意味は解らない。キスのどこに、声のヒントが?

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