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第13章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 2

結局のところ“声”の件も、もう一つ聞きたかったことも、あの日は、うやむやにされた。

斎と肌を委ねると、流される・・・。

惚れた弱み、だろうか。最初は斎の方が私に執着していた気がするけど、

今は斎の方が飄々とした態度をとることが多く、私自身が斎に執着し始めている、気がする。

・・・とはいえ、リミットも解っている訳で、それ以上の暴走はやはり躊躇する部分は、どこかにある。

突っ走るにしろ、完全に引くにしろ、今の段階で覚悟は決まらず、結局中途半端。

ただ“声”の件より、もう一つ聞きたかったことに関しては、気になって仕方がなく、

ソレを改めて切り出そうとは思うものの、何となく・・・聞けない。

生徒会長と斎は何か企んでる気がするけど、斎が隠している以上・・・。

と、思考はあの日から堂々巡り。数日経ってるというのに・・・。

重い気持ちが溜息になって外に漏れる。そろそろ1時間目の授業が始まる。席につき、必要なものを机の中から出す・・・ん?

カサッという乾いた音と、紙の感触。恐る恐る出すと、白い封筒。

思い出すのは・・・悠里ちゃん宛ての・・・。

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