テキストサイズ

contract

第14章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 3

なるべく音を立てない様に、身体が入る程度のドアを開け、素早く身を部屋の中に押し込み、ドアを閉める。

と同時に耳に届いた、嬌声。

「・・・ぁんぁぁ・・ダメぇ・・・」

咄嗟に身を低くする。四つん這いになり、そろりそろりと身を動かす。

ギシギシと唸るスプリング。強い雨音は部屋に入ると一切無くなり静かになる。防音されている?のかな・・・。

嬌声や音の出る方向へは、視線を向けていないけれど、も。

簡単に推測できる状況。

「やぁん・・・」

明らかに嫌がっていないこの声は・・・誰?

推測は出来るけど、でもまさか・・・と脳内は若干混乱しつつ、部屋の中で潜めそうな場所を探す。

部屋の一番奥の隅にで、ようやく壁を背に座り、こっそり全貌をうかがう。

その場所を選んだわけは、キャビネットやワゴン等が置いてあって、少しの間身を隠すにはどうにかなりそうだったから。

元々2つの部屋に区切れていた部屋だった筈だけど、中央の壁は可動式だったらしく、綺麗に取っ払われて、

前方ににあるソファには、斎と的場君の頭が見える。斎はがっつり視線を前に向けてはいるが、的場君は斎の方を見て、あれこれしきりに口を動かしている。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ