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第14章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 3

ドカッ

という容赦ない音が数回聞こえると共に、重かった誰かが上から居なくなる。衝動的に身体を縮め、耳を塞ぐ。

走って逃げたかったけど、そこまで考えが働かない。

怖いし、見つかったし、パニックだし、だから、目を開ける事が出来ない。

「殺されたいか?」

低い斎の声。耳を塞いでいても近くにいるから声が、聞こえてしまう。

「ち、ちょっとした冗談だって。お、怒るなよ、斎」

何時も通りの声で話そうとする生徒会長。でも所々どもっている。

斎は怒っているらしい。多分。声が聞いた事のない低い声で・・・怖すぎる。

「次に絢乃に手を出せば即殺す」

「わ、解った。だから、もう、睨む、な・・・」

途中から生徒会長はしどろもどろ。あの生徒会長が。

・・・という事は私は斎に何をされるか解ったものではなく・・・逃げた方が・・・・・・。

何処に?

学校の外に?

この暴風雨の中?

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