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第14章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 3

そろりそろりと四つん這いで動き、何とかドアの前にたどり着く。

逃げ出したい。

とにかくここから逃げて、見なかった事にしたい。

後の事は後考えたい。

立つと姿が見えてばれてしまう気がして、座った状態のまま、ドアノブを握り、ゆっくりと開け・・・、

と目の前のドアが音を立てない様にと神経を集中していたので、辺りを見る事を少し、ほんの少し怠った、ら。

ドアノブを持つ手の上から、手が伸びて来て、ドアノブから手を外させられ、

「あっ」

と思った時には、くるりと身体が反転して、ドアを背に座っていて、

押される身体。逃げられなくなる。相手の身体から独特の匂いがする。何時もの斎の匂いじゃないって直ぐ解って、身体が固まる。

「ぃやッ」

見つかったヤバイ!!と軽くパニックになる私に、容赦なく押さえつけられたまま気が付けば、唇が奪われて。

「・・・ンンンンッ」

文句を言う心算で開けた唇に容赦なく侵入する舌。キモチイイ、なんて思う訳もなく、逆に気持ち悪さが際立って、生理的に浮かぶ涙。

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