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第14章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 3

「ただし、話せるのは知っている範囲で、ですが」

という前置きから始まった。

「まず、宴の招待状を出しました。数名程。で、参加の意向があれば、親の同意のサインを含む“履歴書”を送る様に、と」

「宴って、親公認?」

何故、履歴書?と思ったけど、それよりびっくりしたのが、これが親公認って事だった。

「そうです。この宴は、佐倉紗香に“お見合い”をさせる為のものです。

ただし、普通のお見合いではない、という事は、もうお判りでしょうが」

脳裏に蘇る、昨日の光景。・・・あれが、お見合い?

「次に参加者を言いましょうか。

まずはご存じの、黒田博史(くろだひろし)生徒会長。黒田物産の息子で次男、2年」

次に、松浦健司(まつうらけんじ)。松浦コーポレーションの息子で次男、1年。ちなみにこの男は、元永依の婚約者を強引に語っていた男の実弟です」

思わず的場君の顔を凝視してしまった。態々その情報を口に出すという事は、内心穏やかではない、という事、よね・・・。

「・・・え・・・っと、複雑、だよ、ね・・・」

スルーすべきか、とも一瞬思ったけど、知っている以上、あからさまにスルーもおかしい・・・?

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