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第14章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 3

「お嬢様は、良く承諾、した、よね・・・」

「夕方、斎様とお嬢様、ご両親と4人で部屋に1時間程度籠られてましたから、その辺で話し合いはされたかと」

話し合いで納得出来るもの?いや、普通はそうじゃない。だって的場君と永依さんは、納得しなかったからこそ、今の状態になっているのだから。

でも、家の為、と考える場合もあるの?私には理解できないけど。

「後は皆様を集め、食事をさせました。皆様の食事には微量の薬を混ぜたものを」

「薬?」

「理性があると宴に支障をきたす、と斎様の指示です。

その後、身を清めてから、あの部屋で宴は始まったわけですが、その間、お嬢様は文句ひとつ言いませんでした」

「普通にお見合いさせればいいのに、何でこんな・・・」

「佐倉家の子孫を確実に残す為、と言っていましたが、詳しい事は斎様でないと、解らないでしょう。知っているのはここまでです」

そう言うと、椅子から立つ。

「召使は主人の意向に沿うだけです。永依に影響がない限りは、疑問を挟む余地はありませんので」

それでは。という軽い挨拶のような会釈後、的場君は出て行った。その姿は、召使というよりは、やっぱり執事のイメージだった。

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