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第15章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 4
宴当日の夕方。
場所は理事長の部屋。
普段は理事長自身が、仕事を熟す為に使用する、重厚な黒の革張りの椅子に座り、
目の前にある、今現在は何も置かれていない、これまた重厚な黒い机に両足のかかと部分を乗せ、
ふざけた態度のまま、見下ろす相手は、この家のオジョウサマ。
佐倉紗香。
右腕を父親である理事長に、左腕を母親である理事長夫人にしっかりと捉えられ、強制的に跪かされ、身動きが取れないが、
睨みつける目の力は凄まじい怒りに満ちている。
「斎様、どうしてッ」
辛うじてわたしに呟いた言葉は、この状態の理由を問う言葉だが、説明するつもりは一切無い。
この部屋に呼び出した直後に放った一言が、衝撃的な言葉だったらしい。
『今から、お前のservantの任を解き、お前をslaveとする』と言った事が。
「私は貴方を・・・」
「絢乃に害を及ぼすものは必要ない」
言い繕おうとする前に、ばっさりと切り捨てる。か弱いふりも必要ない。
場所は理事長の部屋。
普段は理事長自身が、仕事を熟す為に使用する、重厚な黒の革張りの椅子に座り、
目の前にある、今現在は何も置かれていない、これまた重厚な黒い机に両足のかかと部分を乗せ、
ふざけた態度のまま、見下ろす相手は、この家のオジョウサマ。
佐倉紗香。
右腕を父親である理事長に、左腕を母親である理事長夫人にしっかりと捉えられ、強制的に跪かされ、身動きが取れないが、
睨みつける目の力は凄まじい怒りに満ちている。
「斎様、どうしてッ」
辛うじてわたしに呟いた言葉は、この状態の理由を問う言葉だが、説明するつもりは一切無い。
この部屋に呼び出した直後に放った一言が、衝撃的な言葉だったらしい。
『今から、お前のservantの任を解き、お前をslaveとする』と言った事が。
「私は貴方を・・・」
「絢乃に害を及ぼすものは必要ない」
言い繕おうとする前に、ばっさりと切り捨てる。か弱いふりも必要ない。