contract
第15章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 4
「わたしの絢乃を壊そうとする輩は、必要ない」
それに対しての大きな反応は無かった。身体が硬直したのか、微動だにしない。ただ、目から涙を流している。その眼の色は絶望を宿して。
そう、絢乃や金本悠里にあれこれ策を弄していた首謀者は、立場を弁えないオジョウサマ。
いつもなら、贄にするが・・・。
「お前の自我は必要ないが、お前の肉体はまだ必要だ。だから、物言わぬ人形に慣れ。お前の両親の様に」
途端に喚く女。最後の悪あがきを目の当たりにする。その姿は見苦しい、の一言。
佐倉紗香の両親は、既に生ける屍と同様の人形だ。それは、佐倉家を存続させ、わたし自身が実権を握る為の措置。
だからこそ佐倉紗香、という身体を無くす訳にはいかなかった。佐倉家の直系は存続しなければならない。
しなければ、困るのだ。今の段階においては。
まだ、この学園内にわたしを縛り付けている元である“封印”を破る力は無い、から。
封印を破る力を蓄える為の時間稼ぎ。その為の、佐倉家の存在価値。
宴は存続のための措置の中で、最も重要な事柄の一つなのだから。
それに対しての大きな反応は無かった。身体が硬直したのか、微動だにしない。ただ、目から涙を流している。その眼の色は絶望を宿して。
そう、絢乃や金本悠里にあれこれ策を弄していた首謀者は、立場を弁えないオジョウサマ。
いつもなら、贄にするが・・・。
「お前の自我は必要ないが、お前の肉体はまだ必要だ。だから、物言わぬ人形に慣れ。お前の両親の様に」
途端に喚く女。最後の悪あがきを目の当たりにする。その姿は見苦しい、の一言。
佐倉紗香の両親は、既に生ける屍と同様の人形だ。それは、佐倉家を存続させ、わたし自身が実権を握る為の措置。
だからこそ佐倉紗香、という身体を無くす訳にはいかなかった。佐倉家の直系は存続しなければならない。
しなければ、困るのだ。今の段階においては。
まだ、この学園内にわたしを縛り付けている元である“封印”を破る力は無い、から。
封印を破る力を蓄える為の時間稼ぎ。その為の、佐倉家の存在価値。
宴は存続のための措置の中で、最も重要な事柄の一つなのだから。