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第15章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 4

外が、明るくなりつつある。暗かった頃は、雷と雨の音が酷かったというのに。

「・・・ぁ・・ぁぁ・・ん・・・・」

絢乃の掠れ気味の愛い声は、途切れる事無く漏れ続け、

ピクリピクリと意思とは関係なく震える様は、完全に手中にある事を意味し、

絢乃の身体の中で、触れて無いトコロも、舌を這わせていないトコロももう無い筈。

漸く完全に満たされる征服欲。ただし、永久ではないが。

少し前に手枷を外してやると、拒む事無く、腕を回してきた。今はこの行為自体にに拒否は、基本ない。

ま、昨日の的場がいた辺りは、拒んでたが。

久しぶりに拒まれて、少し違う反応で楽しめた感は、否めない。しかし・・・。

「・・・何故だ?」

絢乃、という存在ではないといけない理由は、未だに見つかってはいない。自分自身で自覚出来るほどの、稀にみる執着ぶり。

「・・・居なくて良かった」

とふと思う。ふらりとたまに顔を出す旧知の人物を思い浮かべながら。

アレは、敵か味方かまだ定かではない。表向きは中立、というが・・・。斎の正体を知ってもなお、表だって敵意を示さない、稀な人物。

ただし、見えないところで何を考えているかは解らない、が、そこは。

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