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第15章 case6 【オ前ヲ貶メタイ】 4

時刻は15時台。

目の前には、斎。優雅におやつ時間を堪能中。的場君が給仕をしてくれつつ、昨日夕方から、の話を斎がしてくれた所。

ついでに、黒田生徒会長が私に接触していた件も吐かされたけど・・・。

結果、ある程度の事実は解ったけど、頭の中は処理しきれていない。

話を聞いて、嫌悪は無かった。どちらかというと、戸惑い。そして思考放棄の気持ちが強い。

お嬢様や佐倉家に関わって来た人たちは可哀想だと思う。けど、どこか他人事・・・というか・・・。

私が斎側に気持ちが立つのは、斎の方に気持ちがあるから。

私はヒトなのに、斎の方を優先させてしまう。お嬢様が可愛そうなのに、いい気味だという黒い気持ちもある。勝ったという優越感も・・・実はある。

そういう黒い気持ちを真正面から自覚すると、自己嫌悪に陥りそうなので、結局は思考を放棄したい、となる。

「ところで、今回は誰が妊娠させたか解らないので、長期戦ですね」

ドツボに嵌りそうだったので、考える事を本格的に放棄して、的場君が言う事に頷く。

男性1人に女性複数なら、誰が妊娠したかすぐ解るけど、今回は誰がお嬢様を妊娠させたかは、直ぐには解らない、のに。

「そうでもない」

あっさり否定する斎。

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