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第17章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 2

「一致してんならイイじゃねぇか」

大の大人が繰り広げた、建設的じゃない言葉の応酬は均さんの勝ち・・・に思われたが・・・。

「・・・全く。それより話を始めよう。一番状況を把握している均が離せば一番早い。さぁ、どうぞ」

という父の一言で、今回の低レベルな舌戦は、最終的には父親の勝ち、と見た。

「仕方ねぇな」

これ以上、意味が無いと悟ったのか、そう呟くと。

ポケットから紙とペンを取り出し、書き始める。

・一族の事
・目の事
・斎の事

「こんなもんか?」

「大まかにはそうだろうな」

大人同士の同意の言葉が交わされる。

「もう少し隠しておきたかった気もするけどな・・・」

直後、父の不本意を滲ませる独り言が、耳に届く。

そこで、私はあえて反応せず、均さんが話し始めるのを、ただ待った。

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