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第17章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 2

「さて、そろそろ帰りますが、姫様」

言葉をここで、切る意味・・・は?と顔を上げると、

意味ありげな・・・表情。

「苦しくなったら、治せるのは斎様だけです。だから、帰ってきた方が・・・楽になれますよ?」

苦シクナッタラ???

「な、何を・・・」

シタ、の?

「姫様が、楽に帰って来られるように“呪い”をかけました。夜中でも、時間は関係なく、早く斎様を呼ぶことです。

斎様は来られませんが、何だったら、何時でもお迎えに参りますよ?」

にっこり勝ち誇った笑みの、的場君。それに対して、私の中には、不安しか残らなくなる。

何が今から起きるというの?

思わず私自身に腕を回す。ギュッ・・・と。得体の知れない不安から、逃れたい一心で。

「斎様は、姫様の帰りを待ってますから」

それでは、という言葉と共に、的場君はリビングから姿を消した。

気を紛らわす為、目の前のお茶を飲む。温くなったお茶は、喉を潤しはしたけど、不安を飲み込める・・・筈は無かった。

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