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第17章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 2

「・・・仕方ない」

的場君の溜息から、数秒?数分?・・・記憶は定かじゃないけど、時が経ってから、

ぽつり、と呟くと、今まで同じ高さだった目線が、急に高くなって、近付いてくる。

「・・・え?」

口から洩れた戸惑いは現実味を帯びる。

気が付けば、ガッツリ両腕を掴まれ、逃げられない状態で、少しずつ体重が乗ってくる。押し倒され・・・。

「姫様、帰らないのなら、帰りたくなるようにしてあげましょう」

強気な的場君は、そう宣言すると、一気に距離を詰め・・・、

「・・・ンッ」

口付け、と同時に何かを口移しされる。1年前と、同じように・・・。

今回は、逃げる事無く、迷うことなく・・・ゴクンと飲み込む。的場君とキス・・・は抵抗ないといったら嘘になるけど、

帰らない罪悪感があるから、これくらいは・・・と思って。

「今回は逃げませんでしたね」

飲み込んだのを確認して、的場君はすばやく離れた。

何となく照れというか、戸惑いというか、的場君の顔を見るのは・・・どうも抵抗があって、少し視線を下にする。

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