テキストサイズ

contract

第18章 case7 【貴方ニ引キ摺ラレル】 3

「転入生、が来ました」

同時にカタン、と硝子テーブルに置かれる、ウイスキー入りのコップ。

「排除、してもらえませんか?」

「・・・物騒だな」

「貴方の一族でしょう?」

「一族がコントロールできる程、俺は偉くねぇよ。それに・・・」

「それに?」

「斎は何かしら考えてるだろ」

・・・絢乃チャンが学園内にいるという事が、一族の上層部に、バレた。それも斎の“女”という注釈つきで。

今現在、一族にとって斎は“屠るべき獲物”だが、綺乃チャンは“監視されるべき人間”といったところか。

ただ、斎の元に絢乃チャンがいるという事実から、一族内でも色々論議が繰り広げられているらしい。

斎と同じく“屠るべき獲物”とすべきか。

それとも、斎を屠る為に踏み台を兼ねて“一族の駒”とすべきか。

食うか食われるか。

どちらにしろ、これから絢乃チャンに安寧は、無い。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ