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第19章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 1

・・・ノープランで外に出たから、何処に行こうか・・・と思案。

学校、ってのも、今更な感じでオカシイし。

きょろきょろと辺りを見回すと、屋敷の奥は、鬱蒼と生い茂る木々が見える。

学校と屋敷の往復で、屋敷の奥まで見た事が無かった。

「そういえば・・・」

入学当初『学校の奥は森がありますが、理事長の私有地ですから、立ち入り禁止です。また、入ると迷って出れなくなります』みたいな注意事項があったっけ・・・。

それでも数人は、夏辺りに肝試しと称して入ってしまい、行方不明になったり、出てこられたとしても、怖い体験をしたり・・・とか色々あるらしい。

怖い体験、が具体的に何なのか、は、入った人たちが話さないから解らないらしいけど。

見た目、鬱蒼と茂っているから、中は薄暗くて、怖いというイメージが無くも無い。

けど、案外マイナスイオン?あたりで気持ち良かったりして?リフレッシュ、とか。

身体はまだ怠いけど、少しぐらいなら、大丈夫な気がしないでもない。奥まで入らなければ、という意味で。

後は、敷地内だから、何かあったら斎がどうにかしてくれそう、という甘い考えもあって、

森の方にゆっくりと足を向けた。

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