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第19章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 1

現に、的場と的場永依は9月2日辺りから、屋敷に居なかった。何かを調べさせた、と考えるのが妥当。

昨日の夜遅くに帰って来て、今は2人とも、屋敷の仕事は止められている。休め、という事だろう。

『そろそろお前にも働いてもらう』

と絢乃チャン監禁中で機嫌のいい魔王は、たまたま廊下ですれ違った俺にもそうのたまっていた。

俺は何役をやらされるのやら・・・面白ければ、やってやってもいい、とは言っておいたが。

「心配しなくても、魔王が舞台を整えるから、その上で最初はお前も踊る事だな」

ここは、斎を閉じ込める檻でありながら、斎の力を最大限に震える場所でもある。

「そうすれば」

そこまで口にした時だった。

パキッと小枝が折れる音が、した。

「誰だ!?」

荒げる要人。おいおい、ここは敵陣なんだから慎重にやれって・・・。

「お前・・・」

直後、要人の絶句するような声。と同時に、見えた姿は、魔王に囚われている筈の、姫、だった。

---均side 終了---

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