テキストサイズ

contract

第19章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 1

「何に?」

「一族の当主、というお飾り」

「お飾りじゃなければ、いいんだろ?」

実績あげて、実権を即握ろうと考えるのは、今現在カナメちゃんが若い証拠、ということでもある。

「ま、いいけど」

どっちでもいい、という意味で呟く。

「それより・・・」

「そろそろ斎は絢乃ちゃんを出すだろ」

「・・・本当か?」

「いきなり敵のお前らが押し掛けるから、斎は絢乃チャンを出す気にはならなかったんじゃねえ?」

と、推測している。

元々斎は、絢乃チャンを独り占めして監禁したいと願っている。

が、凶暴な魔王のくせに、絢乃チャンだけには甘い魔王は、未だに完全な監禁状態には置いていない。

今の状態なら、絢乃チャンは退学、の筈だが、理事長権限を斎は勝手に行使して、休学扱いにさせている。何時復帰しても良い様に。

急に押し掛けてきた敵に対する対策を練る為、相手を見極める時間をかけた、と考える方が自然。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ