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第19章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 1

森の中は、静かだった。

夕方なので、薄暗い。けど、怖い、という事も無く、さくさくと歩みを進め・・・。

「ん?」

森の中にそぐわない匂いを捉えた。・・・煙草?

煙草からイメージする人物は1人。均さん。

まだ、居たんだ。というか、森の中で煙草って!!火事になったらどうするのッ!?

って思ったら居てもたってもいられなくて、煙草の火を消さなきゃって思って、早足で匂いのする方に進む。

「全く、斎も均さんも俺様なんだからっ」

ここで斎が出てくるのは、10日監禁に対する文句も入っている。どうせ面と向かって言ったって、聞くような相手じゃないけどッ。

さくさくさくさく、と枯葉を踏み進める。

そしてパキッと、小枝を踏んだ時だった。

「誰だ!?」

均さんじゃない、声。やっぱり入っちゃいけない場所に勝手に入ったから・・・マズイ?

「お前・・・」

声のした方を見ると、相手も私を捕えたようだった。制服を着て眼鏡をかけた男子生徒。でも見た事が、ない。

・・・誰?

隣に均さんも見えたから、均さんの知り合い・・・?

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