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第3章 case2 【貴方ガ欲シイ】 1

深夜、目が覚めた。

間接照明の明かりで隣を確認するけど、やはり斎はいない。

いつも一緒に寝る。それに関してもう何も思わない私も私だけど、斎も当然な顔をしてるから、お互い何も言わない。

この生活に巻き込まれて、1ヶ月になろうとしていた。

世間はお盆。流石に校内にいる人数は少なく、昼間は蝉の声が支配する・・・狭い世界。

最近深夜になると、こうやっていない事が多い。毎日ではないけど、数日に一度のペースで。

そして朝になると、何事も無かったかの様に、また隣で寝ているから、ほぼ一緒に起きる。

・・・深夜、斎がいないという事を、私が知らないと思っているらしい。

深夜に目が覚め、斎がいないと解ると、何処に行ったのか、と何故か気になる。

いつも傍らにある物がないと、違和感を覚える。例えば、ぬいぐるみと一緒に寝るとかそういう類と同じ様に。

という事だろうけど、何で斎相手に、あれこれ考えないといけないのか解らない。

・・・私、どうか、してる、かも。

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