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第3章 case2 【貴方ガ欲シイ】 1

「あーもうっ!」

不安定にさせられている現実にムカつきながら、いつも斎がいる方に背を向ける。

・・・寝てしまえば、いい。それだけの事。

斎が深夜に何をしていようと、私には関係がない。大体何で私の意思でもないのにここにいなきゃならないの。

・・・世間はお盆だというのに。

「やっぱり帰ろうかな」

思考が口から洩れた。独り言として。

墓参りはした方が良い気がする。親に会いたい気もする。・・・離れればもやもやも無くなる気がする。余計なことも考えなくなる。

ウザッタイと思う時もある親だけど、数か月も離れた事はそういえば無くて。

考えてるうちに・・・その気になってきた。

「そうしよう♪」

考えがまとまると、気分が浮上した。斎がふらりと居なくなった時を見計らってこっそり帰る。

・・・そう、決めた。

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