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第19章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 1

「待ってぇ」

後から聞こえる声。得体が知れない感満載で、怖い怖い、ひたすら怖い。

だから、精一杯逃げ・・・。

「きゃああッ!!」

角を曲がった時、ドンッと人にぶつかった。マズイ、捕まっちゃう!!

「ごめんなさい、急いでるからッ」

ぶつかった相手に、最低限誤っておいて、そのまま駆け出そうとした時。

「こっち」

グイッと腕を引かれ、目の前のドアに押し込められる。押し込んだ本人も、部屋に入ってきて、ガチャリと鍵を掛けた音。

「ちょっ」
「黙れ」

部屋の中は遮光カーテンで暗く、顔が見えない。

そういえば、前にもこんな、似たようなことがあった。

・・・なんて考えていたから、相手に対する警戒心を一瞬、解いてしまっていた。

が、何か違和感が拭えない。

私を抱きしめている相手は、私より背が高く、同性というよりは異性なのは簡単に推測出来た、けど。

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