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第19章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 1

考えている間すら、気分が悪い。動かないベッドの上なのに、身体が勝手に波打ってるかのよう・・・。

「全く・・・」

八つ当たりしたくなる。いない相手に。

「もう寝ろ」

布団をかけ、優しくおでこ付近に手が触れる撫でられた感触。優しさ?斎はそんなことしないな・・・なんて直後に、比較してしまう。

「明日は休め。様子は見に来てやる」

感謝しろよ、だそうで。

押しつけがましいよ、と反論したかったけど、感覚的に重くなりベッドに沈み込む身体。

口を開くのも、億劫。

遠ざかる意識。

ナンデイナイノ、と言いたい相手の顔だけは脳裏から消えなかった・・・と思ったのは束の間で、

意識は緩やかに、飲み込まれた。



・・・眠りの闇の中に。

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