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第19章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 1

・・・グワングワンする、頭が。

一体何飲まされたの、あの薬!!腹が立つ、卑怯な奴!!

目の前にいれば、正体が解れば、気分が悪かろうが、頭が重たかろうが、気力振り絞って盛大に罵倒してやりたい!!けど、

目の前、というか運んで来てくれたのは、助けてくれた均さんだから、罵倒する相手じゃないのは解っている。

下されたベッドの上。着替えたいけど、そんな気力もなく、身体をを横たえ、目を瞑る。

目を開けていると、天井が回っていたから。気持ち悪い。

「・・・ところで」

「いねえ」

・・・。

「先回り、しないで」

「いねえもんはいねえから、な」

・・・ムカつく、と思うのは半分以上八つ当たりだろうか。この私の体調が悪い時に、いないなんて・・・って、学校の敷地外に出れない斎が、屋敷にいない?

「何処に、いるの?」

学校と、屋敷と、それ以外に行く場所が敷地内にある、というの?

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