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第20章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 2

「私の条件を聞いていないのに、答えを出さないでくれる?」

とサクラがいた場所に、同じ声の同じ顔がいつの間にか座っている。

「・・・・・・」

何か言いたい気がするのに・・・言葉が出ない。

「選んでほしいと思うのはお互い様。サクラは私の条件を貴方に聞かせたくなかったみたいだけど、ねぇ?」

声も顔も姿も同じ。違うのは、着物。サクラは白っぽい生地の着物だったのに対して、目の前の幼女の着物は、黒っぽい。

「私は、ラセツ。サクラと同じく、仮の名だけど。ま、貴女に会うのは、今の間だけだし、ね」

サクラと同じ顔で、にこりと笑う。でも、どこか・・・笑みが黒い気がするのは・・・着物のせい?

「面倒な説明はサクラがしてくれたから、私は条件だけ言うね」

同じく心の中の言葉もサクラ同様読めている可能性のあるラセツだったけど、

そんなそぶりは全く見せず、条件を言い始めた。

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