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第20章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 2

条件を聞いて、思わず考え込んでしまった。

さっきまでは、両方の条件を聞いて、悩むだろうけれど、一番いいと思える方を選ぼうと思っていた。

けど、1つめの条件ですら、結構厳しい。

斎自身が力を捨てる、って事はどう考えても有り得ないと思ったから。

「どちらも、選ばなかったら?」

どうなるのだろう?

「貴方は永久にここから出られない」

「どちらかを選んでも、力を使わなかったら?」

「彼は今のまま、あの学校という檻に繋がれ生き延びるか、殺されるかを待つだけ」

「それ以外に選択肢は、ない?」

「ない」

「本当に?」

「・・・ほ」

んとうに、と続くと思われた言葉は、急に消える。

「え?」

そして、目の前にいた筈のサクラの姿も消え・・・。

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