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第20章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 2

『究極の選択』っぽい話をサクラとラセツに迫られてから、数日が経過した・・・と思う。

窓はあるものの窓を開ける事は出来ず、窓の外は何時も淡い光を放つだけで、

本来部屋の中にある筈の時計は何故か無く、

お腹も空かないから、体内時計も狂っている、と感じる。

唯一本能が働く睡眠欲は、身体を動かさないから、眠りも浅くなった。浅い眠りなのに、夢は見ない。

・・・というかここが夢の中なんだっけ・・・・・・?

閉じ込められた檻の中で、考える時間だけはいっぱいあったから、実はもう答えを出している。

私の望みは、サクラの提示する未来。でも、斎はその未来を望まないだろう事は簡単に推測出来るけれど、この際その辺は考えないでおく。

逆に、斎を殺す事は望んでない。絶対に。

だから、サクラの手を取ってしまえばいい。

そこに躊躇する理由は一つも無い。

・・・筈、なのだけど。

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