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第3章 case2 【貴方ガ欲シイ】 1

寝る時以外は四六時中、斎の視界に映る場所に私はいたから、こっそり帰る事が出来ないでいた。

ちょっとしたミッションぽくて、ドキドキしつつ機会を伺うけど、中々タイミングが無い。

そんな感じで日々が流れていた、決意から数日後の昼過ぎ。

「・・・チッ」

長椅子に横たわって何やら天井をぼーっと見上げていた斎が舌うちした。舌打ちするのは見た事が無かったから珍しい。

「・・・どう」
「野暮用」

どうしたの?の問いを言葉で遮って、身体を起こし出ていった。屋敷に通じるドアから。

パタンッッと閉めたけど、あまりに乱暴だったから、ドアはキチンと閉まらず・・・跳ねかえって少し隙間を作っていた。

「・・・ちゃんと閉めてよ」

屋敷の人間、特にあのお嬢様には会いたくないのに・・・と思いつつ、ドアノブに手をかけた時だった。

隙間から見えた、とあるドアに入っていく、斎の後ろ、姿。あの、部屋のドアは・・・。

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