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第20章 case8 【私ニ伸ビル複数ノ手】 2

その後も、ラセツの説得を拒むと現れる均さん。

相変わらず顔の識別は出来ないし、一言も声を聞いていないけど、煙草と指がソレを知らせる。

そして。
あの夏と違うの、は。

「・・・ぁあっ」

気が付けば、私のナカに容赦なく侵入する、彼自身。

「・・・ダメよ・・ぁっぁぁっんっ」

口から洩れる言葉は弱い拒否。そして拒否を上回る嬌声と、濡れ続ける身体。

斎の感触を忘れてしまいそうになる恐怖の上に、容赦なく塗り重ねられる均さんのキモチイイ感触。

夢、と聞いていた筈なのに。
現実では、お腹が空かないというのも有り得ないのに。

彼に抱かれる感触だけは、現実と変わらない、という感覚から抜け出せない。

・・・一向に乾く事が無い泉に、容赦なく突き立てられる快楽。本能を揺さぶられ・・・気が狂う一歩手前の様な感覚。

いつになったら、終わるの・・・?

私の上に乗って腰を振る、相変わらず顔を晒さない均さんをぼんやりと捉え、

「・・・何もかも、終わればいい」

投げやりな気持ちで、呟い・・・。

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