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第21章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 1

「離しなさいッたら!!」

目の前の高野香奈は楽しげに嗤っているだけ。

「何考えているのよ、学校で!!」

そして、縛り終えたところで振り返って逃げる心算が、

「・・やっ・・・んんんんんんーッ」

用意周到な相手は猿ぐつわを噛ませ、私から声を奪う。

「んんんんっんんっんーーーーッ!!」

そして、後から引っ張る。身体が元々いう事を聞かないから、抵抗が出来ない。

「つっかまえたぁ♪」

小走りに走ってきた高野香奈は、私の顔を覗き込んで、勝利宣言さながら、楽しげに言った。

「今からが、楽しいよぉ?」

後向きで歩かされながら、ゾッとする。

静まり返った校内と、少しずつ暮れていく空気の色が、何時もの学校とは違う雰囲気に感じた。

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