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第21章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 1

「先に言っておくけど」

生徒会長用の椅子に座り、私の方を向きながら、話し始めた。

高野香奈は唯一あるドアの前。まるで門番。

「絢乃ちゃん自身に恨みはない、が、咲楽斎の唯一の弱点である以上は、自分の運命を呪ってもらうしかない、ってところかな」

斎の弱点。それは前々から私自身も解っていた事、ではある。今までも、細かくあれこれとばっちりは受けてきた。

「そして、香奈ちゃんとは利害が一致した、って程度で、欲しいものはお互い別のモノ」

「咲楽斎、いいよねぇ。欲しいよぉ。何で独り占めしてるかな、ズルイでしょぉ?」

「は?」

私自身斎を独り占めしているとは思っていない。というか、

私は斎のモノ、と斎が言う事は容易に想像できるけど、

斎は私のモノかっていうと・・・何となく違和感がある。

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