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第21章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 1

斎は誰のモノにもならない気がする。

それはヒトでは無いトコロだったり、本質がワガママだったりするところを考えれば。

そもそも、貴女と斎は敵同士じゃないの?

簡単に敵味方、と線引きできるものでは無いのだろうか?

「香奈ちゃん、今引っ掻き回さないで。斎は君にあげても良いし、斎の身体に興味は無いしね」

あげる、という言葉に少し反応してしまう。その感情は、言い表しにくいけど・・・とにかく不快なものには間違いない。

黒田生徒会長は私の感情などお構いなしに、しゃべり続ける。

「ただ、精神的なダメージぐらいは与えたいよ。紗香が僕のモノにならなかった以上は」

「・・・紗香って、オジョウサマ?」

久しぶりにその名を聞いた。同じ屋敷にいながら、彼女の存在は抹殺されたといっても過言では無いくらい、影が薄い。

あの良いのか悪いのか解らなかった宴から、彼女を抱きに、目の前の生徒会長は何度も屋敷に来ていたのを思い出す。

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