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第21章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 1

「そろそろ始めようか」

地獄への合図。

「思いとどまった方が良いと思う。仮にも生徒会長でしょ?これからどうするの?学校、いられなくなるとか、進路とか」

一応説得してみる、けど。

「その辺は心配しなくても考えてる。僕の家はお金持ちだからどうにでもなる。だから、心配しなくていい。安心して、孕んで」

狂った相手に、通じる訳もも無く・・・”妊娠して”と言われて安心出来る訳が無い。

「ナマはキモチイイよぉ♪」

私を部屋の中心に動かし、ジャケットを脱ぎ、にっこり笑う黒田生徒会長の笑顔の邪悪なこと。

叫びたい。逃げたい。でも恐怖が上回って、声も出なければ、脚も動かない。

絶体絶命、とはコノ、コト。

「だぁい丈夫。絢乃ちゃんが緊張してるの解ってるから、ちゃんとお香も用意したのぉ。これで、なぁんにも考えなくて良くなるからぁ。

お香の匂いが部屋いっぱいになる頃にはぁ・・・ヌルヌルのズボスボだよぉ♪」

高野香奈は、同じくジャケットを脱ぎ、生徒会長の席の上にあった古めかしいお香の入れ物に、マッチで火をつけつつ、無邪気にこの地獄の始まりを宣言した。

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