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第22章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 2

一筋、立ち上るお香。

いつの間にか日はすっかり落ちた。

部屋が暗くなったからか、雰囲気を出す為につけられた?たくさんの蝋燭。

同じ机の上に大量に並べられる道具は、明らかに“オトナのオモチャ”。

楽しげにオモチャを出し、ニコニコしている壊れた女と。

チョキチョキ、ビリビリ。

私の服を意気揚々と切り刻み、引きちぎる壊れた男。

淫靡と狂気の狭い世界。

現実味が無い筈の世界。

なのに、目の前のこれが今の現実。

「大丈夫、傷一つ付ける気は無いよ。ただ、服が邪魔でね」

何が大丈夫?

・・・声が出ない。

・・・動けない。

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