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第22章 case9 【思惑乱レル妨害ノ手】 2

移動した場所はお風呂場。
横抱きの状態から下されたものの、下すと同時に、シャワーのお湯を出す斎。

ザァァァァァ・・・・・・。

勢い良く流れ出るお湯を頭からかぶる羽目になる。

斎は服を着たまま。
私は毛布を巻き付けたまま。

毛布とか濡れるといけないと思って、身じろぎはしたものの、

逃がさないと言わんばかりに、巻き付いている力強い腕が、それを邪魔する。

そして、排水溝に流れていく水の色は・・・真紅。

湯気の中で匂う、濃い血の匂い。血の匂いに、酔いそう。



お互い無言のまま、時が進む。



ピッタリと密着して抱き締められているし、上からお湯が降り注ぐしで、斎の表情を伺い知る事はできないけれど、

流れて行く水の色が少しずつ透明度を増していくところを見ると、

斎についていた鮮血は大分落とされたよう・・・。

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