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既にずぶ濡れの状態で、この場から逃げる事は流石に諦めた。

ちゃんと洗って出たいというのあるし、

そもそも、出る事を斎が許すとも思えないし。

それを察したのか、斎は漸く腕の拘束を解いて、水を吸って重くなった服を、少し手古摺りながらも脱ぎ捨て、

最後に私の毛布を剥ぎ取り、漸くシャワーが止まる。

お互い何もまとっていない状態になると、斎は無言のままシャンプーを取り出し、泡立て・・・、

私の髪を洗い始める。

「自分でやる」
「黙れ」

突き放した命令口調ではなかったけど、有無を言わさないくらいの力強さはあって、

とりあえず私はされるがまま。

私の髪を斎が洗い、斎が髪を斎自身が洗い、

一気にシャワーで泡が流されると、泡が若干ピンク色。色は血の名残・・・かも。

トリートメントも同様に斎がする。珍しく、斎自身も髪につけていた。